課題

追客が抜ける、進捗が見えない。
営業状況の見える化で減らせます

公開: 2026年9月9日

「先週の反響、あれどうなった?」——朝礼でこの質問が出て、その場で答えられない。担当者に確認して、返事が来るのが夕方。そのあいだにお客様は他社と内見の予定を入れている。

追客が抜けるのは、担当者の気のゆるみが原因とは限りません。いま何件動いていて、どこで止まっているかが誰にも見えていない——そのほうが多いんです。

この記事では、その「見えない」を減らすために営業状況を1画面にまとめる方法を、並べるものと作る順番に分けて紹介します。

段階 問い合わせ ポータル・自社サイト・LINE 滞留 4件 最長 6日 初回返信 誰が・いつ返したか 滞留 2件 内見 日程調整・案内済み 滞留 7件 申込・審査 書類のやりとり 滞留 1件 成約 右側=各段階で止まっている件数と、最終接触からの日数
段階ごとの件数より、右側の「止まっている数」を先に見るのがポイント。数字は表示例です

こうした画面のイメージは、AI活用例で実際に触れる形で公開しています。自社の業務に置き換えると何が並ぶか、動かしながら考えるのが早いはずです。

前提として、沖縄は問い合わせの母数が増え続けている市場です。総世帯数は634,600世帯で、2018年の前回調査から9.5%増えました(総務省「令和5年住宅・土地統計調査」2023年10月1日現在)。世帯が増えれば、部屋探しのやりとりもその分だけ発生します。案件が増えるほど、頭の中の管理では追いつかなくなっていきます。

出典: 沖縄県「令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点」

見えていないのは「件数」ではなく「止まっている場所」

案件の一覧なら、たいていの会社にもうあります。ポータルの管理画面、スプレッドシート、担当者のメモ。困るのは一覧がないことではなく、その一覧を見てもどれが止まっているのかが判別できないことです。

止まっている案件には共通の見え方があります。次の3つです。

  • 最終接触からの日数が伸びている — 3日前に連絡したきり、次の予定が入っていない
  • 段階が動いていない — 内見の約束はしたのに、日程が確定しないまま2週間
  • 担当者に偏っている — 特定の人だけ滞留が多い。手が回っていないのか、進め方の癖なのか

この3つは、案件を「段階」で持っていれば自動で出せます。逆に、段階を決めていない一覧からは出しようがありません。ここが最初の分かれ道です。

1画面に並べる4つ

あれもこれも載せると、結局見なくなります。まずはこの4つで十分です。

  • 段階別の件数 — 問い合わせ/初回返信/内見/申込・審査/成約。いま全体で何件動いているかが一目でわかります
  • 段階ごとの滞留件数と最長日数 — 上の図の右側です。ここが実質的な「今日やることリスト」になります
  • 担当者別の内訳 — 誰かに寄っていないか。責める材料ではなく、割り振りを直すための材料として使います
  • 流入元別の内訳 — ポータル/自社サイト/LINE/紹介。どこからの反響が成約まで残りやすいかが見えてきます

数字の粒度は粗くて大丈夫です。1件単位まで正確に合わせようとすると入力が重くなって、そのうち誰も更新しなくなります。ざっくり合っていて毎日更新されるほうが、精密で古い数字よりずっと役に立ちます。

作る順番

順番を間違えると作り直しになるので、3ステップで進めるのがおすすめです。

  • ステップ1: 顧客台帳をひとつにする — 案件がどこに書かれているかがバラバラだと、集計しようがありません。顧客管理を先に整えるかどうかの見分け方はAI導入で遠回りしないために。先に顧客管理を整えるべきかの見分け方にまとめました
  • ステップ2: 段階を決める — 5つ前後で十分です。細かく分けるほど正確になりそうですが、実際は入力が面倒になって形骸化しやすくなります。「その案件がいまどこにあるか」を全員が同じ言葉で言えることのほうが大事です
  • ステップ3: 集計を自動にする — ここまで来て初めて画面の出番です。手集計だと更新が止まるので、台帳から自動で拾う形にします

いきなりステップ3から入りたくなりますが、台帳と段階の定義がないダッシュボードは、きれいなだけで何も教えてくれません。

AIの入れどころ

見える化そのものは、AIがなくても作れます。AIが効いてくるのは、そこから先の「読む・気づく・書く」の部分です。

停滞の検知: 滞留日数がしきい値を超えた案件を毎朝まとめて通知する、という形が組めます。人が画面を見に行かなくても、向こうから知らせてくれる状態にできます。

やりとりの要約: LINEやメールの履歴から「この案件でいま何が待ちになっているか」を短くまとめさせられます。引き継ぎのときに、過去のやりとりを全部読み返す必要がなくなります。

次アクションの下書き: 滞留している案件に対して、送る文面の案を作らせる。担当者は直して送るだけです。追客が止まる原因は「何を送ればいいか考えるのが面倒」であることも多いので、ここが軽くなると再開しやすくなります。LINE側の詰まりについてはLINE対応を自動化と人で分担するもあわせてどうぞ。

どれも、段階と台帳が整っていることが前提です。土台のないところにAIだけ載せても、参照するデータがないので実務の精度では動きません。

よくある疑問

ポータルサイトの管理画面だけでは足りませんか?

反響の受信と初期対応まではポータル側で足ります。自社サイトやLINEからの問い合わせ、内見以降の進捗、担当者ごとの偏りまで1か所で見たい、という段階になると自社側の台帳が必要になります。

入力の手間が増えて、結局続かないのでは?

その心配はもっともです。だからこそ段階は5つ前後にとどめて、入力項目も最小から始めるのがおすすめです。項目は後から足せますが、一度「面倒なもの」と思われると戻すのが大変なので、最初は物足りないくらいが続きます。

まず何から手をつけるといいですか?

1週間ぶんの案件を手で並べてみて、止まっているものに印をつけるところからで大丈夫です。それだけで、どの段階で詰まりやすいかの見当がつきます。仕組みにするのはその後でも遅くありません。

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