公開: 2026年8月19日
新規のお客様は来てくれるのに、二度目が続かない。「またお願いします」と言ってくれたあの方も、気づけば半年顔を見ていない。かといってDMやクーポン配信は、宛先を選ぶのが面倒でつい後回し——店舗の集客で、いちばんよく聞くパターンかもしれません。
再来店が続かないのは、お店の腕や接客のせいとは限りません。多くの場合、お客様は不満で離れたのではなく、ただ思い出すきっかけがなかっただけ——リピート施策の解説で繰り返し指摘されてきた構図です。そしてきっかけ作りは、記憶と気合いではなく仕組みにできる類の仕事です。
この記事では、「思い出してもらう仕組み」の作り方を3ステップで紹介します。
仕組みの土台は、誰がいつ来て何をしたかの記録です。多くのお店では、この情報がレジ・予約アプリ・スタッフの記憶に分かれて残っています。分かれたままだと「最後の来店から何か月たったか」を調べること自体がひと仕事になってしまい、ここで施策が止まります。
AIでの組み込み方: 予約や会計の記録をひとつの台帳に集める形が作れます。新しく入力の手間を増やすのではなく、いま別々の場所に入っている記録を流し込んでつなぐ、という発想です。
次に、思い出してもらうタイミングを決めます。よく使われるのは来店周期を基準にする考え方です。たとえば普段6週間ごとに来ていた方が8週間空いたら、それは「離れかけのサイン」かもしれません。このタイミングの見極めを、リピート施策の解説では重視することが多いです。
AIでの組み込み方: 台帳に記録がたまっていれば、「前回来店から◯週間たった方」を仕組みが毎日自動で見つけられます。人が名簿を眺めて思い出す必要はありません。
最後に、見つけた方にだけ届けます。全員一斉のクーポン配信は、常連さんには不要で、離れかけの方には埋もれがち。「しばらく来ていない方だけ」「この施術をした方だけ」と宛先を絞るほうが、受け取る側の体験としても自然です。
AIでの組み込み方: ステップ2の抽出と配信をつなげば、「8週間空いた方に、その方の前回メニューに合わせた案内を送る」までを自動の流れにできます。文面の下書きもAIに作らせて、送る前に人が確認する運用が現実的です。
常連さんの顔と好みは頭に入っている、というお店も多いと思います。それ自体は何よりの強みです。ただ、覚えている人が休みの日、新しいスタッフが入った日、お客様が増えてきた時期——記憶だけに頼る仕組みは、お店が良くなっていくほど限界が来ます。
ちなみに沖縄県の会社は約4万4千社ありますが、そのうち大企業はわずか56社です(中小企業庁・2021年6月時点)。販促の専任担当を置ける会社のほうが珍しいのがこの県の普通で、だからこそ「人を増やさず仕組みに任せる」やり方と相性がよいと考えています。
出典: 中小企業庁「都道府県・大都市別企業数」(令和3年経済センサス再編加工)
ブロックの主な原因は「自分に関係ない配信が多いこと」と言われています。全員一斉をやめて、宛先とタイミングを絞るこの記事のやり方は、むしろブロック対策の方向です。
予約アプリにもリマインド機能はありますが、会計・メニュー履歴までまたいで「この条件の方にこの案内」と組み合わせたい場合に、台帳をつなぐ仕組みづくりの出番になります。いまお使いのアプリを活かしたまま足す形も作れます。